投稿者: truck-mania

トラックの盗難。三菱ふそう「キャンター」のクレーン付きが危ない

三菱ふそう「キャンター」などの小型トラックの盗難が全国で増えているそうです。「キャンター」の中でも、特にクレーン付きがよく盗まれるみたいです。

トラック盗難のニュース

8月24日の朝日新聞によると、福岡県警が、大分県中津市の土木建設業者の車庫からトラック1台を盗んだ容疑で、海外国籍の犯人グループを逮捕したとのこと。

その犯人は、福岡県古賀市の自動車解体施設・ヤードで盗んだトラックを解体し、部品としてコンテナにまとめて海外に輸出していたらしいです。
2017年以降、福岡県と大分県では、合わせてトラック数十台の盗難被害があったそうです。盗まれたトラックの中でも多かったのは、三菱ふそうの「キャンター」のクレーン付きのもので、数十年前の型式だったそうです。

以前書いた記事でもご紹介しましたが、

なぜ古いトラックを買い取るのか?中古トラックと輸出について

日本のトラックは型式が古くても性能がいいので、海外ではとても人気があります。

今回盗まれたトラックは、写真を見ると、持ち主の庭に設置された簡易車庫に収められていたようです。

その車庫は、ビニールハウスの骨組みのようなものに、幌布のようなものをかけただけのもので、入り口のドアもなく、あれでは誰でも簡単に入れてしまいます。

トラック盗難その手口と対策

トラックの盗難がなぜ多いのかという理由を知らなければ、この被害者のように、セキュリティが緩い状態で、いとも簡単に盗まれてしまいます。

現に、日本損害保険協会の意識調査では、自分の車の盗まれる危険性を感じていない人が4割近くいるとの統計があります。

日本はまだまだ平和で安全な国なんですね。

トラックに鍵をかけていても、犯人は簡単に車を盗みます。その手口は、様々です。

リレーアタック

トラックのドアの開閉を自動で行ってくれる便利なスマートキーですが、「リレーアタック」という盗難の手口があります。

トラックとスマートキーの両方からは、常に微弱な電波が流れています。この微弱電波を不正に受信するなどして、鍵がなくても車にエンジンをかけて、持ち去ってしまうのです。

リレーアタックの防止対策

リレーアタック」を防止するには、電波を遮断する必要があります。トラックを使わないときは、鍵をかけた後、自宅で保管する場合は、アルミ缶などにスマートキーを入れておくといいですね。

ピッキングや持ち逃げ

スマートキーではない普通の鍵のトラックでも盗難は起こります。ピッキングとは、トラックのドアのカギ穴に特殊な金属のヘラを差し込み開錠する手口です。

持ち逃げとは、クレーン車やレッカー車で持ち去る手口とのこと。

その他、自宅に侵入し、車の鍵を持ち去ったり、トラックの合い鍵を作成して車を持ち去ったりとまぁ、犯人もいろいろ考えるものですね。

トラックの盗難防止対策まとめ

「トラックを使わないときには必ず鍵をかける」ということがトラックの盗難防止対策としてまず初めに守りたいことです。

たとえわずかな時間でも、トラックから離れるときは必ずエンジンを切って、窓を閉め、鍵をかけましょう。

盗難には「キーつき盗難」と「キーなし盗難」の2種類があり、「キーつき盗難」とは、トラックに鍵をつけっぱなしにしていて盗まれるというものです。

ある統計では、車の盗難の3件に1件は、鍵をつけたままで盗まれているそうです。

「キーなし盗難」とは、トラックに鍵をかけたにもかかわらず、盗まれるというものです。

これを完全に防止するのは難しいですが、あまり人のいない場所への駐車や、路上駐車はやめる、できれば鍵やシャッターのかかる車庫に車を置く、人感センサーなどを設置する、防犯グッズを使用するなど、工夫したいですね。

廃車する時に気を付けたいこと

車を廃車するときに、引き取り業者に車を引き渡すと思いますが、無許可の解体業者には気を付けましょう。法律違反となる場合があります。

自動車リサイクル法とは

自動車リサイクル法は、廃車する車をごみとして処分せず、資源として扱い、リサイクル型社会を実現するための法律です。廃車する車の所有者、引き取り業者、自動車メーカー、輸入業者など、その車に関係するそれぞれの立場の人の役割を定めています。

 

1.自動車リサイクル法では、廃車する車は原則として、すべてリサイクルすることとなっています。車の所有者(最終所有者)は、4でかかるリサイクル料金を支払い、許認可を受けた引き取り業者に車を引き渡す義務があります。

2.引き取り業者は、最終所有者より車を引き取った後、フロン類回収業者または解体業者に引き渡します。

3.フロン類回収業者、解体業者、被砕業者は、車を適正に処分し、フロンやエアバッグ、シュレッダーダストなどを自動車メーカーや輸入業者に引き渡す義務があります。

4.車の自動車メーカーや輸入業者は、廃車する時に発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を引き取り、リサイクル等を行う義務があります。(フロンは破壊する)

 

悪徳業者に注意

廃車や事故車の引き取り、解体は許認可制となっていて、無許可でこれらを行うと法律により罰せられます。1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。ですから車の所有者は無許可の解体業者に廃車を依頼してはいけません。

悪徳業者の中には、廃車手続きをせず、不法投棄をするケースもあるため、車の所有者のもとに自動車税がかかり続け、請求が来てしまうなど思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。これを防ぐには、名義変更がされたかどうかを証明書等により、きちんと確認する必要があります。

廃車をする場合は、廃車証明書を送ってもらい、きちんと完了しているかどうか確認しましょう。

 

違法となる解体作業

例えば、廃車する際に車の所有者が、カーオーディオなどの車の付属品を外すことは大丈夫なのですが、ウィンカーやドアミラー、バンパーなど車の車体の一部とみなされるパーツを外すことは「無許可の解体作業」とみなされ、違法となる可能性があります。意外なところが盲点となりますね。気をつけましょう。

 

なお、都道府県の調査によると、自動車リサイクル法の施行により、不法投棄等の車両は、施行前の平成16年9月末の21.8万台から、平成20年3月末には2.2万台と大幅に減少しています。すごく成果が出ていますね。地球環境のためにも、大切な愛車のためにも、リサイクルをこれからも頑張って行ってもらいたいですね。

なぜ古いトラックを買い取るのか?中古トラックと輸出について

年式の古いトラックや稼働時間が超過した建機。不動車や車検切れ、さらには事故車など、廃車にするしか他に方法がない車を買い取りたい業者がいるのは何故なんだろう。

 

そう思ったことはありませんか?

 

トラック買取業者はボランティアで買取をしているわけではありません。彼らが買い取ったトラックや建機の一部分は、海を越えてはるかかなたの海外で活躍しています。買取(輸出)業者によって取引先の国は多少変わりますが、多いのは、東南アジア、アフリカ、中東です。

 

これらの地域では、現地での需要はもちろん、その周辺地域へのハブ(中継基地)としての役割も持っています。例えば、アラブ首長国連邦は、中東の国々への輸出基地となっています。タイは、ラオス、ミャンマー、カンボジアなどと近いのでそれらの地域への中継基地の役割を果たしています。(今現在は、タイではタイへの中古車の輸入を事実上禁止しています。)

 

海外の人々と、日本人とは住んでいる環境も、価値観も違います。日本人には価値がないように見える中古トラックや中古建機を、現地では壊れても修理して使うというのが基本的な考え方です。というのも、現地では人件費が日本に比べてとても安く、東南アジアの国々ではベテランの整備士でもせいぜい月給7万円ほどです。

 

現地の人にとってトラックの価格は重視されます。新車ではとても買えないが、中古車なら買える。そう考える人は多いです。

 

ある地域では、中古トラック1台を所有して、個人事業主として起業すれば、年収100~300万円くらい稼ぐことが出来るため、中古トラックをたとえ100万円支払うとしても手に入れたい、そう考える方が多くいます。100万円は現地の人にとって、年収よりはるか上の価値に匹敵する大金です。

 

年式の古い車は今の車に比べて、作りが単純に出来ており、現地で修理が行えます。稼働時間が超過していても、日本の車は丈夫ですので、修理すればまだまだ使えます。不動車や車検切れ、事故車などは、修理して使う以外に、年式の古い車(今はもう、部品やパーツが手に入らない)が壊れた時の為に、パーツや部品取りの目的でニーズがあります。

 

海外への中古トラック輸出は、簡単に行えるかというとそうはいきません。それはその国の政治や経済的な事情が深くかかわってくるからです。現地の人たちは欲しくても、国の政策によっては海外からの中古トラックの輸入を禁止している国々は意外と沢山あります。

 

例えばある国は、国内の新車の流通を増やす為と、環境汚染抑制の目的から、海外からの中古車には高い関税と厳しい輸入制限をかけています。また別の国では右ハンドルの輸入が禁止されています。たとえ禁止されていなくても、輸入に対する法律が毎年変わる国もあります。

 

それ以外にも、国の情勢や経済が不安定で、現地に赴くこと自体にリスクがあったり、その国の貨幣の信用度が低く、代金が回収不能になるリスクもあります。いまは取引が出来ても、法律が変わって取引が出来なくなることもあります。

 

中古トラックを輸出するには、現地の人に負けない交渉力や高い英語力以外にも、その国の政治に明るく、国の情勢や経済に対して、ある程度先が読める能力も必要になってきます。

 

この記事の前半を読んで、「なんだ中古トラック買取業者は俺たちから安く買いたたいて、ボロ儲けしてるんじゃないか」と思った方もいるかも知れませんが、彼らもそれなりのリスクをとってビジネスをしているということがお分かりになったかと思います。

 

日本の中古トラックは海外ではとても人気があります。日本車の安全性や品質などが評価され、信頼されているからです。ですが、近年それを脅かす存在があります。例えば、中国の建機メーカーなどです。ある中国の建機メーカーは、日本の中古トラックや中古建機の価格以下の値段で新車を販売しています。

 

フィリピンなどでのオークション価格は、中国の新車価格が値付けの根拠になりつつあるようです。世の中は常に変化しています。日本の中古トラック市場も今の現状に胡坐をかいて努力を怠っていれば、いずれライバルに追い抜かれてしまうでしょう。

 

そうならないために、何をすればいいのか?私には分かりませんが、グローバルな世界で、賃金が安い国の生産したトラックや建機と日本のそれとが、価格競争にさらされる現実を踏まえて、常に先を見て動くということが大切になってきそうですね。